夢色メイプルシュガー
「……そう」
優しく笑う、お母さんの顔。
「そうだったのね……」
「ごっ、ごめんなさい。私、弁護士になるって約束したのに、勝手に……」
そこまで言って、しぼんでしまった。
なんだか急に居たたまれなくなって。
けれど、次にお母さんが私にかけたのは、驚くような言葉だった。
「それならそうと、早く言ってくれたらよかったのに」
「え……?」
「いつから?」
「……小学校、4年生、から」
私はわけもわからないまま、ただ質問に答える。
困惑して狼狽えていると、くすりお母さんが笑った。
「私に反対されるとでも思ってた?」