夢色メイプルシュガー
「気になって、来ちまった」
なぜか玄関の前に立っていたその彼に、私は目を丸くする。
もう、あなたはどうして……。
「芽衣、どうだっ──」
「宗谷くん!」
堪らず私はその胸に飛び込んだ。
宗谷くんは、すぐに驚いたような声を出す。
「め、芽衣?」
私は構うことなく、ぎゅっと力強く抱き締めながら、感情のままに唇を動かした。
「ありがとう……宗谷くんっ」
「じゃあ」
「うん。お母さん、反対しないって、私の夢、応援してくれるって、そう言ってくれたの」
「そっか。よかったな」
「うん……」
本当に、よかった。
宗谷くん……。
あなたには、感謝してもしつくせないよ。
私を、私の心を、
こんなにも、キラキラにしてくれたんだもの。