夢色メイプルシュガー
*
「どうぞ」
「おじゃまします」
“少しお話がしたい”
そう言って、宗谷くんを自分の部屋に招き入れた私。
宗谷くんは『いいのか?』なんて少し戸惑っていたけど、私はすぐに『うん』と答えた。
男の子を部屋に入れるなんて、改めて考えたら躊躇してしまうようなことなのに。
その時の私は、とにかく他のことで頭がいっぱいで、そんなことには気が回らなかったんだ。
私は、宗谷くんと並んでソファーに腰掛ける。
「あ、あのね」
「ん?」
このことも、あなたに伝えなきゃならないの。
ドキドキと脈打つ鼓動で見上げると、宗谷くんは不思議そうに首を捻った。
……いける。いくのよ、私。
意気込んでから、何とか震える口を動かす。
「私は──」