夢色メイプルシュガー


「やっぱ、キスしてい?」

「ひぇぇっ!?」


なななっ。

驚いた拍子に、勢いよく顔が上がった。

不意に目が合って、私はパクパクと口を動かしてしまう。


「わっ、私、ちゃんと言ったわよね……!?」

「うん。でもさ、言わなきゃするとは言ったけど、言ったらしないとは言ってねぇし?」


な、何よそれーーー!?


そういうの、屁理屈って言うのよ!

いつもの私ならすぐにそう返しただろう。

だけど今の私には、そんなことを言ってられるような余裕など、微塵も残ってなくて。


「芽衣」

「え、あっ!」

「俺のこと、好きなんだろ?」


そ、そうだけど……!!


「ひゃあっ」


膝の手に重ねられた大きなそれに、私の心はさらに動揺を増す。


「待って、心の準備が……」


──グイッ。

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