夢色メイプルシュガー
「くそっ、不意打ちはズリーから」
なんて呟いて、宗谷くんは腕で顔を隠す。
ず、ずるいって。
いつも不意打ちなのはどっちよ。
思いながらも、感じるのは唯ならない愛しさ。
だってこんな宗谷くん、初めて見ちゃったんだもん。
「何ニヤニヤしてんだよ」
「ふふっ」
しょうがないでしょ?
……宗谷くんでも、こんな顔するんだ。
そう考えたら、何だか嬉しくなって、
胸がきゅんと音を立てて、仕方なかったんだから。
とその時、宗谷くんがコホンと一つ咳払いをした。
視線を送ると、彼はキリッと表情を引き締めて。
「芽衣」
低く囁いた。
真剣な眼差し。
私は一点にそこへ目線を定めながら、その時を待つ。
そして。