夢色メイプルシュガー


とはいえ、なんとかこうやって学校に向かっている私。


今まで無遅刻無欠席を貫いている私にとって、わけもなく学校を休むことは許せないことだったから、ということもあるけれど。


一番は、昨日食べたケーキのお陰だと思う。


メイプルシュガーの優しい香りがする、サクサクとろーりなメイプルタルト。

小さい頃から大好きなそれを、ひと口放り込めば……。


とにかく癒された。

浄化された。

幸せだった!


……おいしかったなぁ。


その余韻があったからこそ、なんとかベッドの上から身体を引きずり下ろせたんだ。

< 28 / 228 >

この作品をシェア

pagetop