夢色メイプルシュガー
「メーイメイ?」
誰かが、後ろから肩を掴んできた。
結局落ちてくれなかった隕石に、悲しみながら席に座った直後だった。
私はすぐに振り向き、笑顔を向ける。
「おはよう、希美」
すると、目の前のおだんご少女は、徐ろに“あ”という顔をした。
「メイメイ、何かあったでしょ?」
ぎくっ。
希美の勘はいつも鋭い。
だけど私は「さあ?」と言って、はぐらかすように視線を逸らした。
放課後、私が多目的室に通っていること。
それは、希美にも秘密だったから。
……そうなのよね。
そんな、親友にも言っていないことが昨日、同じクラスのよく知らない人に見つかっちゃったのよね。
彼にとってはなんでもないことかもしれないけど、私にはかなり重大なことで。
どうしてこうなっちゃったんだろう。
ガクッと肩を落としたその時。