夢色メイプルシュガー
先日、高校生になってから、2度目の5月を迎えたばかりの今日。
夕紅(ゆうべに)学園2年3組の窓から見える景色は、1ヶ月前とはすっかり変わってしまっていた。
青と白と緑。
つい最近までは、綺麗なピンクが広がってたのに……。
そんな、水曜日の4時間目。
この日の英語の授業は、ちょっぴりいつもと違っていた。
というのも──。
「次、涼岡(すずおか)」
「はい」
先生に当てられ、そろりと立ち上がった私。
両手に紙を広げ、小さく息を吸ってから口を開く。
「My dream is──」
──そう。
“将来の夢について”
今日は先週出されたその課題を、出席番号順に発表することになっていたんだ。
ちなみに、うちの高校の出席番号は男女混合で。
涼岡芽衣(すずおか めい)の私は、ちょうどぴったり10番だった。