夢色メイプルシュガー
「秘密のカンケイってこと〜?」
「宗谷、いつの間に……!!」
「わあ、いいなぁーーー!」
そこで目にしたのは、そんなクラスメイトたちと瞳をキラキラ輝かせる希美の姿で。
……これはどういう状況?
──答えはピンチ。
なんとかしなきゃ!
「あのね? 私たち別に、隠さなきゃいけない関係とか、そんなのじゃなくて……ただのクラスメイトというか……」
あれ、これじゃあ逆に怪しい?
なんとか取り繕おうと思ったものの、うまい返しが思いつかなくて焦る。
そんな中、パニックの原因を作った張本人はというと。
「ふぁ〜」
どこか退屈そうに、大きな大きなあくびをした。
ちょっと、宗谷くんも何とか言ってよ!
言おうとして、やめた。
ううん。
正確には、言えなかった。
彼はそのまま、何食わぬ顔でスーッと自分の席へと戻っていってしまったんだ。
嘘でしょ!?
呆気に取られるとは、まさにこのこと。
私は驚きのあまり、口をあんぐりと開けてしまった。
……何この人。
やっぱり、変!