夢色メイプルシュガー



「秘密のカンケイってこと〜?」

「宗谷、いつの間に……!!」

「わあ、いいなぁーーー!」


そこで目にしたのは、そんなクラスメイトたちと瞳をキラキラ輝かせる希美の姿で。


……これはどういう状況?


──答えはピンチ。

なんとかしなきゃ!



「あのね? 私たち別に、隠さなきゃいけない関係とか、そんなのじゃなくて……ただのクラスメイトというか……」


あれ、これじゃあ逆に怪しい?

なんとか取り繕おうと思ったものの、うまい返しが思いつかなくて焦る。


そんな中、パニックの原因を作った張本人はというと。


「ふぁ〜」


どこか退屈そうに、大きな大きなあくびをした。


ちょっと、宗谷くんも何とか言ってよ!

言おうとして、やめた。

ううん。

正確には、言えなかった。


彼はそのまま、何食わぬ顔でスーッと自分の席へと戻っていってしまったんだ。


嘘でしょ!?

呆気に取られるとは、まさにこのこと。

私は驚きのあまり、口をあんぐりと開けてしまった。



……何この人。

やっぱり、変!

< 33 / 228 >

この作品をシェア

pagetop