夢色メイプルシュガー
私が最初に〈plage〉に行ったのは、5歳の時だった。
暑ーい日差しが降り注ぐ、そんな天気の夏。
その日私は、家族3人でショッピングモールへお出かけすることになっていた。
お医者さまのお父さんに、弁護士のお母さん。
忙しい両親が揃うのはとても珍しいことで、私は前の日からずっと、ウキウキ心を弾ませていたんだ。
『ねぇ、あれ何?』
出発した車内でしばらく窓の外を見ていると、ふと見慣れない建物が目に飛び込んできた。
四角い真っ白な建物。
三角屋根の住宅が立ち並ぶ中、それだけはポッツリ仲間はずれで。
『キレイ……』
一瞬にして、目を奪われてしまった。