夢色メイプルシュガー


「で、できました」

「うん、いいかんじだね」

「ありがとうございます……!」

「次は塩をひとつまみと、粉糖を加えるんだけど。粉糖は数回に分けて、しっかり混ぜ合わせるように。オーケー?」

「わかりました!」


塩を指でつまんで、練りあげたバターのボウルに加える。

そして粉糖を手に取り、慎重に、まずは3分の1くらいを入れた。

白っぽくなるまで混ぜ合わせ、これをあと2回繰り返す。


──トクン、トクン。


なんなんだろう、この感じ。

ふわふわして、くすぐったくて、もう止まらなくって。

まるで夢の中にいるみたいな、不思議な感覚。


……懐かしい。

そうだよ私……。

この感覚、知ってる。

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