夢色メイプルシュガー
「どうしたの芽衣、今日は遅かったじゃない」
そろりとリビングに入ると、お母さんが心配そうにソファーの上で迎えてくれた。
「えっと……」
どうしよう……。
案の定指摘され、焦ってしまう。
「ちょっと、寄るところがあったの」
なるべく平静を装って、そう答えた。
「そうなの?」
「うん」
〈plage〉に行ってたこと。
それは、まだ──。
「……そういえば」
ふーんと首を動かしたお母さんが、何か思い出したかのように言った。
「お母さん、この土曜日にお仕事入っちゃったの。だから芽衣、悪いけどお留守番よろしくね」
土曜日?
って。