夢色メイプルシュガー
「あの。その日は、私も予定があって……」
「あら、そうなの? もしかして勉強会かしら」
「ま、まあ、そんな感じかな」
“あはは”
作り笑いを浮かべた私は、逃げるように自分の部屋へ向かった。
はぁー、緊張した〜っ!
部屋に入った途端、一気に気が抜けるのを感じた。
お母さん、怪しんでないかな?
大丈夫……だよね?
うん、言わなきゃきっと見つからないわよ!
なんて自己解決しながら、学校カバンに手を伸ばす。
取り出した白い封筒。
その中身を確認してから、私はきゅっと口角を結んだ。
「土曜日、か……」
*
パチン、と電気を消す。
続く幸せの余韻。
ほんの少しテスト勉強をした後、私はゆっくりと眠りについた。