夢色メイプルシュガー


「あの。その日は、私も予定があって……」

「あら、そうなの? もしかして勉強会かしら」

「ま、まあ、そんな感じかな」


“あはは”

作り笑いを浮かべた私は、逃げるように自分の部屋へ向かった。



はぁー、緊張した〜っ!

部屋に入った途端、一気に気が抜けるのを感じた。


お母さん、怪しんでないかな?


大丈夫……だよね?

うん、言わなきゃきっと見つからないわよ!


なんて自己解決しながら、学校カバンに手を伸ばす。


取り出した白い封筒。

その中身を確認してから、私はきゅっと口角を結んだ。


「土曜日、か……」







パチン、と電気を消す。


続く幸せの余韻。

ほんの少しテスト勉強をした後、私はゆっくりと眠りについた。


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