どっきゅん♡LOVER
*
「じゃあね、まなみん涼子ちん」
放課後になって、いつものように二人に手を振る。
今日はもう終わりか。
お昼からだと早いなぁ、やっぱり。
なんとなくしみじみとしつつ、あたしは教室を出た。
っていうか、数学!
古池(こいけ)の奴、ちょっと休んでる間に進みすぎじゃない?
しかも指名してくる普通!?
ほんとありえない。
何やってるのかぜーんぜんわかんなかったし、そもそも習ってないし、答えられるわけないじゃん。
……あっ。
そうだ。また修平に教えてもらっちゃおっかなー。
なんて、呑気に妄想を膨らませている最中だった。
「……っ!?」
あっ、あれは......!
目に、衝撃的な光景が飛び込んできた。
下駄箱の正面にある廊下の隅。
修平と知らない女が、二人っきりでおしゃべりしている!?