どっきゅん♡LOVER
「えっと……あたしの顔、何かついてる?」
まなみんが訝しげに、じっとこっちを見ている。
「いや、ほんと別人だなーって思ってさ」
「別人?」
「うん。今の沙弥、ありえないくらいダサいもん」
だ、ダサいぃーっ!?
ストレートな一言が胸にグサッと突き刺さった。
たしかに今のあたし、自分でもかなり地味だとは思うわよ?
でもでも、ありえないくらいダサいって、ちょっと酷くない!?
「何言ってるの愛実ちゃん。今の沙弥ちゃんだって、充分キュートよ?」
ああっ、涼子ちん……!
まさに聖女だ。
柔らかに微笑む彼女に、心がジーンと震えた。
「うぅ、涼子ちーん! まなみんがいじめるのー」
あたしは甘えた声を出しながらすりすり涼子ちんに擦り寄る。
「よしよし、沙弥ちゃん」
「いじめって……。むしろ私、褒めたつもりなんだけど?」
「どこがぁ?」
貶されてるようにしか聞こえなかったんですけどー。
むーっと唇を尖らせていると、まなみんは面倒くさそうにため息をついた。
「だって、絶対秘密なんでしょ。あのこと」
「……え?」