どっきゅん♡LOVER


はぃぃぃ!?

やっぱりこの子、修平のこと好きだったのね!?

嫉妬の炎が激しく燃えだす。


もう無理、我慢の限界!

これ以上黙って見てらんないわ……!


「よしっ」


素早くカバンを地面に置き、中身を漁る。


っと……。

何か丸いもの……転がりやすいものは……あっ。


あった、これだ!


あたしはポーチの中で見つけた白いそれを手に取るなり、指先から滑らせるようにして廊下へ放った。


「っしゃ!」


小さく雄叫びを上げる。

狙い通り、あたしの投げた日焼け止めスプレーは、カラカラと音を立てながら修平の足元へと転がって行ったのだ。


「スプレー? 誰のだろう」


神戸さんが呟いたそのあと、修平がスッとそれを拾い上げた。


今だ!


「ごめんなさい。それ、落としちゃって……」


小走りで近づきながら、線の細い声を飛ばす。


「ありが……」


っ!?

受け取ろうと手を伸ばした瞬間、一気に凍りついた。

目の前の顔が、明らかにこわーいものに変わっている。


……や、やばい?

修平怒ってる!?



< 113 / 274 >

この作品をシェア

pagetop