どっきゅん♡LOVER
“絶対秘密”
まなみんの言うように、あたしには、誰にも言えない“秘密”がある。
……けど、それがどう褒めてることになるのか。
全く意味がわからない。
「だから、それだけ完璧なら誰にも気づかれないって、そう言ったのよ。まさかあんたが……」
──ドクン。
「あのサ──」
「わーーーー!」
まなみんの囁くような声が耳に届いたと同時、あたしは声を発していた。
「ちょっと、まなみん!」
「おっと、ごめん。もう少しで口が滑りそうだったわ」
いや、思いっきり滑ってましたけど!
「でも大丈夫よ、冗談だから」
「びっくりさせないでよー」
心臓がいくつあっても足りない。
だって、このことがバレたら大変なことになっちゃうんだもん。
「そうよ、愛実ちゃん。秘密はちゃんと守らなきゃ」
「うんうん!」
だよね、涼子ちん!
あたしは賛同の意を込めて、何度も頭を縦に動かした。
のに。
「口が裂けても、沙弥ちゃんとサーヤが同一人物だなんて……あ」
とっさに口を抑えた涼子ちん。
「「……あ??」」
あたしとまなみんは、顔面蒼白になる。
ちょっと、涼子ちーーーーーん!?
「ごめんなさい、沙弥ちゃんっ」
誰かに聞かれた?
急いで辺りを見回す。
だけど、朝の騒がしい時間で助かったかも。
みんなそれぞれに喋っていて、誰もこっちを向いてる人はいなかった。
『沙弥ちゃんとサーヤが同一人物』
涼子ちんの天然さんで危うく明るみになりそうだったけど、これこそがあたし、南沙弥の最大の“秘密”──。
さっき話題に出てたアイドルの“サーヤ”は……
実は、このあたしなんです!