どっきゅん♡LOVER


「放ってなんかおけません。お気持ちはお察ししますが……今はお仕事中だということを忘れたんですか?」


……お仕事中。

やっぱりか。

納得して、ふっと笑みが零れる。


いつだってそう。

お仕事、お仕事。

日野っちはまるで呪文のように、あたしに唱えてくるんだ。


「あたしのこと、心配して来てくれたわけじゃないんだね」


ぶっきらぼうな声。

試すような、それ。

むかつく。

そんな皮肉しか言えない今のあたしに、むかつく。


日野っちは何も悪いことしてない。

ちゃんと、わかってるはずなのに。



「違います、そんなわけないでしょう。私はもちろん、みんなあなたのことを心配してるんですよ?」


……え?


「みんな?」

「ええ」

「今そこに、日野っち以外誰かいるの?」

「いえ、みなさん別の場所へ捜しに──」

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