どっきゅん♡LOVER
「一回だけだぞ」
……っ。
修平……。
ドクン、ドクン──。
頷いたあたしは、グッと唇を合わせる。
と一緒に、なぜか瞼にまで力が入った。
「沙弥、もっと力抜け」
修平が優しく、耳許で声を落とした。
「う、ん」
どうしよう、あたし緊張して……。
気づけばカチコチに強ばった身体。
火照った頬。
激しく音を鳴らす心臓。
自分から“して”ってお願いしたのに。
「あの……っ」
か弱い声が零れた時、修平がスッと撫でるようにあたしの頭に手を滑らせた。
「……っ!」
ああっ、だめ……っ。
ドキ、ドキ、ドキ、ドキ──。
だんだんと近づいてくる修平の顔に、無意識に息を止めてしまう。
「ちょっ、ちょっとだけ待って。今、心を──」
「待たない」
──え。
「……んっ」
ふわり、唇に温かいものが触れた。
今度ははっきりとわかる。
これは夢や幻なんかじゃない。
今、この瞬間。
あたしは修平と、キスしてるんだ……。
幸せ。
それはみるみるうちに、あたしの心を溶かしていった。
「行ってこい。頑張ってる姿、俺に見せてくれるんだろ?」
じっと見つめてくる瞳。
「うん……っ」
あたしは、笑って返事した。