どっきゅん♡LOVER


「なんだ、俺らのチーム次じゃん」


で、でた、矢野新。

まさしくその声の主は、あたしの苦手な彼。

不幸なことに、こいつと同じチームなのよね、あたし……。


「あ、南いるじゃん」


溜め息をついた時、聞こえた声。

話しかけてこないでよ!

そう思いながらも、覗き込んできた矢野新に、あたしはニコニコと作り笑いを浮かべる。


「お、おはよ」

「言っとくけど俺、優勝狙ってるから」

「へ?」


思わず瞬きをした。

あたしたち、同じチームでしょ?

なのにどうして優勝宣言なんか……。


「くれぐれも、足だけは引っ張らないでくれよな」


やっとわかった。

こいつ、あたしが運痴だと思ってるのねーっ!

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