どっきゅん♡LOVER
「行こ、まなみん涼子ちん」
ほんっと失礼しちゃう。
「沙弥ちゃんって、矢野くんと仲良かったのね」
「へ?」
誰が誰と何って?
怒りから大きく腕を振って歩いていると、涼子ちんが耳を疑うようなことを言ってきた。
「ないないない、ありえない!」
「えー? でも彼、沙弥ちゃんによく話しかけてるじゃない」
「たしかにそれ、思ってた」
涼子ちんに続いて、まなみんが声を上げた。
あたしはピタリ、足を止める。
それから痛切な表情を浮かべ、声を震わせた。
「聞いてください二人とも」
「「なに?」」
ズイッと寄ってきたまなみんと涼子ちん。
注意を引くよう少し溜めてから、あたしは悲壮に叫んだ。