どっきゅん♡LOVER
「あいつ、あたしのこといやらしい目で見てくるの……っ!」
「「……」」
──シーン。
え、なんで無反応?
「......ほんとに?」
沈黙のあと、まなみんがそっと疑いの声色で聞いてきた。
「ほんとよ、ほんと!」
「えっと、ちょっと待って? それってどういう意味かちゃんと説明してくれない?」
「それが......どうもあいつ、あたしの正体怪しんでるみたいで……!」
慌てて付け足すように言う。
「ああ、そういう意味」
「びっくりしちゃったわ」
……んん?
あたし、変なこと言った?
「で、怪しんでるって、たとえば?」
「……えっと。メガネのこととか、名前のこととか、車のこととか……とにかく、いろいろ訊いてきてね?」
まなみんの問いかけに、記憶を遡りながら答えた。
ねぇ、おかしいでしょ!?
じっと、訴えかけるように見つめる。
けれど。
「うーん」
「沙弥ちゃんの考えすぎじゃ?」
「普通に話してるだけよね、それ」
何でーーー!?
返ってきたのは、期待とは異なる言葉だった。