どっきゅん♡LOVER
「違うの、なんかこう、ねっとりぎっとり、探ってくるような感じなのよ」
「矢野くん、そんな人じゃないと思うわよ?」
「同感だわ。あんたは自意識過剰になってるだけ。そんなふうに言っちゃ、かわいそうよ」
まなみーん、涼子ちーん!
かわいそうなのはこっちよ〜!
「っていうかあんた、女子の反感買わないように気をつけなよ」
「はい?」
「結構、人気みたいだし」
え。
人気って、あいつが……!?
まさかと思い振り返ってみると、楽しそうに女子と話す矢野新が目に映って、びっくり。
うそでしょ、ああいうのが人気なの?
……あたしには理解できない。
なんて首を振った時、向こうの方からピーーーッと笛の鳴る音が聞こえた。
「あ、サッカー始まるみたいね」
「……修平!」
思わず、声を発してしまった。
だってだって、見つけちゃったんだもん!
瞬き厳禁。
一瞬たりとも、見逃さないわよ!