どっきゅん♡LOVER


食い入るように見つめていると、短髪の男の子から、修平にパスが渡った。

いけー、修平!

ドキドキと胸を鳴らしながら、あたしはぎゅっと手に持つタオルを握りしめる。

何人ものディフェンスを交わしながら駆けていく修平。

そして。


──ワァァッ!


グランドに、大きな歓声が巻き起こった。


「ヤッターー!」


華麗なアーチを描き、決まった修平のシュート。

歴史的なその瞬間に、あたしはうるうると瞳を滲ませる。


剣道部なのに、サッカーまでできちゃうなんて!


──はうぅぅ、もう最高っ!


「……弥!」


──何でこんなにカッコイイのよ、修平〜!


「沙弥ちゃ……っ!」


──嗚呼、ずっと見つめてた……って、


ん? なんかあたし、呼ばれて……。

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