どっきゅん♡LOVER
「ところで、吉良くんとはどこまでいったの?」
想像してゾッとする最中、キラキラと目を輝かせた涼子ちんが、興味津々な様子で訊いてきた。
「球技大会での吉良くん、まるで沙弥ちゃんのナイトみたいだったもの……!」
「それそれ! 私、あの吉良様が!? って、目ぇ飛び出そうになったし」
……へ?
修平が……あたしのナイト?
ナイトっていえば、命をかけてお姫様を守る……。
「クフッ」
ポワンと頭上に浮かんだ妄想絵図に、意図せず声が洩れた。
「やっぱりそう思う~?」
「ええ。だから、何か進展があったのかと」
「え~?」
やだやだ涼子ちんったら~、大・正・解っ。
そういうのって、自然とわかっちゃうものなのね。
もう、照れちゃうじゃない。
「……聞きたい?」
「ぜひ!」
「……ほんとにぃ?」
「もう、もったいぶってないで早く言いなさいよ」
なかなか話さないあたしに、痺れを切らしたらしい。
トントンと片足で床を鳴らしながら、まなみんが苛立ちの混じった声でそう言った。
はいはい、言いますよー。
ふふっ。
「実はね?」
小さく笑ったあたし。
ちょいちょいと手招きして、寄せられた耳元に囁いた。
「キス、しちゃった」