どっきゅん♡LOVER
緩む頬に手を添え、きゃあっと目を瞑りながら俯く。
チラリ、瞳を動かし前を見てみると、丸くなったふたりの目がまっすぐこっちを向いていた。
「ほんとに!? やるじゃん沙弥!」
「よかったわねぇ」
「うふふ、そうなの。……でも」
「「でも?」」
不思議そうに声を揃えた、まなみんと涼子ちん。
あたしは、グッと拳を握り締める。
「それっきりこれっきり、なんにもないの……」
まるで、例のCMみたい。
お仕事がない日、たまに部屋に遊びに行っても、ぜーんぜんかまってくれないんだ。
悲しいことに、キスだってあの日以来一回もしてない。
「デートに誘ってみたら?」
「デート?」
「あ、でも、難しいか」
「うん、難し……」
──いや、いけるかも!
「ありがと、まなみん!」
あたしはそう言って、まなみんの手を両手で握りしめた。