どっきゅん♡LOVER
「どうぞ……」
部屋に入って早々、あたしは修平を絨毯の上に促す。
修平が座ったのを確認してから、あたしはちょこっとだけ離れたところに腰を下ろした。
──トクン、トクン。
ここは、あたしの部屋。
いつもは落ち着く空間のはず……なのに。
いつもとは、明らかに違う。
あたしは修平の彼女で、修平はあたしの彼氏。
そして今、お家デートが始まる。
そう考えたら──。
あぁ〜!
もう、ダメーーっ!
……とにかく、何か喋らなきゃ。
ドキドキに耐えきれなくなったあたしは、とっさに口を開く。
「あのっ」
「何?」
「お、お菓子、いる?」
「いや、いい」
「そ、そっか」