どっきゅん♡LOVER


あたし、緊張しすぎぃ!

心の中で、自らの頬にビンタをする。


ふぅ、落ち着け。

いつもよりゆっくりと深呼吸して、乱れた息を整わせる。


そして、約5回目のそれが終わった時。


「学校生活、どう?」


珍しく、修平がそうやってあたしに質問してきたんだ。

あたしはにこりと笑ってから、答える。


「楽しいよ。まなみんと涼子ちんもいるし」


あまりいけない学校だけど、ふたりのおかげで、本当に充実した生活を送れてる。

変装が大変とはいえ、それでも、あたしは学校に行くのが心から楽しいんだ。


「そうか。うまくやってるみたいだな」

「うん。……ちょっと、厄介なこともあるんだけどね」

「厄介?」


首をひねった修平に、あたしはコクリと頷く。


「それがね、クラスメイトにひとり、あたしのことを怪しんでくる奴がいて」

< 198 / 274 >

この作品をシェア

pagetop