どっきゅん♡LOVER
きりりとした眉に、鋭い眼差し。
そこにいたのは、いつもの修平なのに。
「もう、知らないからな」
低く、優く落されたそれに戸惑いながらも、あたしはゆっくりと頭を動かす。
「……うん」
ドキドキと高鳴る鼓動。
着実に縮まってゆく、その距離。
ああ、幸せ……。
そっと目を瞑った、次の瞬間。
──ブーッ、ブーッ。
鳴り響いた機械音に、身体がビクッと跳ねた。
「ごめんね、修平」
名残惜しくも修平から離れたあたしは、机に置いてあったケータイを手にする。
もう、日野っちのKY!
「ちょっとー。今あたしめちゃくちゃ忙しいんだ──」
『真面目に聞いてください』
「……っ!?」
な、何……?
日野っち……?
ケータイから聞こえてきた、鬼気迫る声。
普段の日野っちではないそれに、あたしは言葉を呑み込んだ。