どっきゅん♡LOVER
「……ぅっ、うぅっ」
行き止まりにぶつかったところで、あたしは力なく座り込んだ。
絶対、やだよ……っ。
◇
『きら、しゅーへー?』
幼稚園の時、あたしは初めて修平と出会った。
みんなが外で走り回る中、たったひとり教室で本を読んでいた男の子──。
それが、修平だった。
『さやはねー、みなみさや!』
いわゆる、一目惚れってやつ。
一目見た瞬間、ビビッと何かが走った気がして。
『ねぇねぇ、さやとお友達になって?』
『友達?』
『うん!』
その日から、あたしは修平に付きまとうようになった。
女子にも男子にも……人気者の修平に近づくのは、簡単じゃなかったけど。
家が近所だと知った時、“神様っているんだ!”と本気で思った。
『修平ー、一緒に遊ぼ!』
『……お前、また来たのか』
『へへっ、また来ちゃった』