どっきゅん♡LOVER


「……ぅっ、うぅっ」


行き止まりにぶつかったところで、あたしは力なく座り込んだ。


絶対、やだよ……っ。







『きら、しゅーへー?』


幼稚園の時、あたしは初めて修平と出会った。

みんなが外で走り回る中、たったひとり教室で本を読んでいた男の子──。

それが、修平だった。


『さやはねー、みなみさや!』


いわゆる、一目惚れってやつ。

一目見た瞬間、ビビッと何かが走った気がして。


『ねぇねぇ、さやとお友達になって?』

『友達?』

『うん!』


その日から、あたしは修平に付きまとうようになった。


女子にも男子にも……人気者の修平に近づくのは、簡単じゃなかったけど。

家が近所だと知った時、“神様っているんだ!”と本気で思った。


『修平ー、一緒に遊ぼ!』

『……お前、また来たのか』

『へへっ、また来ちゃった』

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