どっきゅん♡LOVER
どうしよう。
修平にも気づかれちゃった。
どうしよう……。
「お待たせー!」
あたしは、待っててくれたふたりの元まで、駆け足で近づいていった。
「吉良様、もういいの?」
「うん」
そろり訊ねてきたまなみんに、笑顔で答える。
と、その時。
「沙弥ちゃん……?」
何かが頬を伝った。
「あ、あれっ」
おかしいな。
ぽろぽろ、ぽろぽろ、
勝手に零れてくる。
「あはっ、どうしちゃったんだろ、あたし……」
──ギュ。
早口に呟いた時、左右から一気に包み込まれた。
まなみんも涼子ちんも、なんにも言わなかった。
ただあたしのことを、優しく、温かく、抱きしめてくれたんだ。