どっきゅん♡LOVER
*
「ねぇ、日野っち」
帰りの車内。
あたしは、一つの決心を胸に口を開いた。
これからあたしはどうするべきなのか。
ずっと悩み続けていた、そのことについてだ。
恋を捨てるか、それとも──。
「あたし……」
そこまで言って、喉が詰まった。
震える声。
だけどあたしは、最後まで振り絞る。
「あたしアイドル、やめ……る、ね」
すると日野っちは、あっさりと、まるでそれを予期してたように答えた。
「わかりました。あなたがその気なら、今から社長に会いに行きましょう」
何でだろう。
わからないけど。
「……うん」
あたしはその時、すぐに返事することができなかった。