どっきゅん♡LOVER
『言い忘れてたが、学校では極力話しかけるな』
……はい?
『キスしてくれるんじゃなかったのぉー!?』
『は?』
思わず絶叫した。
え。待って、意味わかんない。
……学校では話しかけるな?
話しかけるなって……。
何それ!?
『それから、“修平”は禁止だ』
ポカンとするあたしをよそに、修平は淡々とそう続けた。
『なんで!』
『なんでもだよ。お互い、“吉良くん”と“南さん”……いいな?』
『えーー!? ヤダヤダ! どうしてぇ!?』
急にそんなことを言われても、納得できるわけがない。
吉良くんと南さんって。
なんでそんな他人行儀に振る舞わなきゃだめなのよお!
混乱して狼狽えていると──。
スッ……。
修平はあたしのみつあみを撫で、覗き込むように顔を近づけてきた。
『お願いだ、沙弥……。言う通りにしてくれ』
『……っ』
囁くような甘い声。
かかる吐息に、真っ直ぐな瞳に、体温が一気に上昇する。
『しゅう、へ……』
ど、どうしよう……あたし……っ。
こんな近い距離で見つめられたら、もう──。