どっきゅん♡LOVER
──コンコン。
「失礼します」
今度こそちゃんとノックをしたあたしは、ドキドキの心臓で中に入る。
すると、すぐに目に入った社長。
その顔は真剣そのもので、少しも笑ってない。
途端、すくむ足。
それでもあたしは挫けない。
大丈夫、と言い聞かせて息を吸う。
あたしの後ろには、日野っちが。
そして、大好きな修平が、ついてるんだから。
「社長!」
勢いよく口を開いて叫ぶ。
「何か用か?」
「社長に、お話があって来ました」
しっかりと返事した時、目の前の鋭い視線があたしの斜め後ろに向く。
「君か……」
「吉良修平と言います。……今回の件、申し訳ございません」
ポツリ社長の声が響いたのとほぼ同時、修平が深々と頭を下げて言った。
あたしは、慌てて同じようにお辞儀する。
「あたしの不注意で、社長にまでご迷惑をおかけして……。本当に、申し訳ありませんでした」
言い切ってから、スッと顔を上げた。
そして、もう一度真っ直ぐに社長の瞳を捉える。