どっきゅん♡LOVER
「……どうするつもりだ。今回はなんとかなったが、次はどうなるかわからんのだぞ」
「万が一の時は、全て私が責任を負います。……いや」
「いや?」
ポツリと落とされたそれに、社長が不思議そうに聞き返した。
あたしは、日野っちの顔から目を離せない。
静かに次の言葉を待っていると、その顔に昂然とした笑みが浮かんだ。
「次なんてものは起こさせません。必ず、“沙弥”のマネージャーである、この私が守ってみせます」
「日野っち……っ」
思わず、声が出た。
一切揺るがない頼もしい表情に、突として何かが込み上げてくる。
「笹森社長、どうかお願いします」
居住まいを正した日野っちが、スッと頭を下げて、畏まったようにそう言った。
社長は口を閉ざし、難しい顔を見せる。
どうやら、考え込んでいるようだった。