どっきゅん♡LOVER


『無理ぃっ!』


とっさに目を逸らし、叫んだ。


危なかった。

我ながらよく耐えたわ、沙弥!

えらいえらい、なーんて自画自賛していたら。


『チッ』


あれ?

今舌打ちした?

パチパチと大きく瞬きしながら視線を戻した時、額に手を当てた修平が溜め息をついた。


『仕方ない。沙弥がどうしても嫌だって言うなら──』


い、言うなら……?


『絶交するしかないな』


そっ……。


『そんなの、ダメぇーーーーー!』







──そんなわけで。



“学校ではただの顔見知り”


そんな切なすぎる約束を、半ば強制的にさせられてしまったあたし。

絶交だけはなんとしても避けたかったから。


『うん』


渋々、呑み込んでしまったのだ。

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