どっきゅん♡LOVER
『無理ぃっ!』
とっさに目を逸らし、叫んだ。
危なかった。
我ながらよく耐えたわ、沙弥!
えらいえらい、なーんて自画自賛していたら。
『チッ』
あれ?
今舌打ちした?
パチパチと大きく瞬きしながら視線を戻した時、額に手を当てた修平が溜め息をついた。
『仕方ない。沙弥がどうしても嫌だって言うなら──』
い、言うなら……?
『絶交するしかないな』
そっ……。
『そんなの、ダメぇーーーーー!』
◇
──そんなわけで。
“学校ではただの顔見知り”
そんな切なすぎる約束を、半ば強制的にさせられてしまったあたし。
絶交だけはなんとしても避けたかったから。
『うん』
渋々、呑み込んでしまったのだ。