どっきゅん♡LOVER


「これまで以上に努力しろ。お前ならきっと、うちの事務所を背負ってくれる。……俺は信じてるよ」

「社長……」


真っ直ぐな声と優しい瞳。

向けられた陽だまりみたいなそれに、途端に胸が熱くなった。


「本当に、ありがとうございます」


社長はあたしのことを必要としてくれてる。

こんな、ワガママ極まりない、あたしのことを。


そう思うと、ただ“ありがとう”なんて言葉じゃ足りない想いが湧いてくる。

だけど。

だからこそ。

あたしはあたしにしかできないことをやって、社長に、みんなに、感謝の気持ちを届けたいんだ。



「あたし、絶対に社長の期待に応えられるような、素敵なアイドルになってみせます。……だから。これからも“沙弥”を、よろしくお願いします!」


しっかりと、一言一言を噛み締めるようにあたしは言った。

すると、すぐに温かい眼差しが降ってきて。


「こちらこそ、よろしくな」

「はいっ!」


絶対になってみせますから。

溢れる感情を、力強く声にのせた。

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