どっきゅん♡LOVER
それ以上、声が詰まって言葉にできなかった。
修平のバカ。
あたしの、バカぁ……。
きゅっとスカートを握りしめていると、修平があたしの瞳を捉えて。
「何で言うまでわからない? ……あと俺、好きでもない女を彼女にするほど、お人好しじゃないんだけど?」
「……っ」
じわっ。
理解するや否や、視界が一気に滲んだ。
何よ、それ......。
目に浮かぶ、今にも零れそうなそれを必死に堪える。
けれど。
「そんなのっ、言ってくれなきゃわかんないよぉ」
口にすると同時に、堰き止めていたものが刹那に崩壊した。
信じられない。
信じられないけど、でも。
溢れ出してくる涙。
もぉ何これ、全然止まんない。
「沙弥」
宥めるような声が、あたしを呼ぶ。
「……だってぇ、夢みたいで」
幸せすぎて、全身がふわふわとした感覚に支配される。
これは現実じゃないんじゃないかって。
これはあたしの妄想なんじゃないかって。