どっきゅん♡LOVER
「なっなっ......」
突然目の前に現れた修平の顔。
思ってもみない事態に困惑を隠さない。
「呼ばれてる」
......へ?
呼ばれてる?
修平が上を指差すものだから、あたしはポカンとなりながら視線を動かした。
『1年C組、南さん。1年C組南さん。至急、第一駐車場までお越しください』
ぎゃーーー!
え、うそ。もうそんな時間!?
まずい、日野っちに怒られるぅ〜〜〜!
慌てて駆け出そうとした、その瞬間。
「......バカ。遅れるなよ」
あたしにしか聞こえないくらいの小さな声が、ぽつりと耳に響いた。
あれ?
あたしってもしかして、単純な女?
いくら冷たくされたって、こんなことですぐに喜んじゃうなんて。
コクリ、首を動かしたあたしは、第一駐車場まで全力でダッシュした。