どっきゅん♡LOVER


「なんですか?」


ルームミラー越しに、日野っちと目が合った。


「えっとね」

「はい」


ヤケになって声をかけてみたものの、いざ切り出そうとなるとちょっぴり言いにくい。



「『学校では極力話しかけるな』って、どういう意味だと思う?」


そろり、窺うように問う。

すると一拍の間のあと、日野っちの声が響いて聞こえた。


「修平くんですね」


ドキッ。

相変わらず鋭いこと。


日野っちは修平のことを知っている。

実際に、何度か会ったこともある。


あたしが修平のこと好きなのも、絶対気づいてるのよね。


「一人になりたいということじゃ?」

「んー、それはない! だって修平、いつも友達といるし」

「じゃあ……。もしかすると……」


え?

もしかすると?


「なになに!? 教えて!」


すぐに飛びついた。

拳をにぎりしめ、前のめりになって答えを待つ。


「……沙弥さんといるところを、見られたくない相手がいるのかもしれませんね」


......へ?

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