どっきゅん♡LOVER
「出ていけーって、自分から言ったくせに」
「気が変わった」
「ふーん。もしかしてー、教えてくれる気にでもなったぁー?」
口許に手を当てながら、にんまりと笑って問う。
「……いや」
「っ! じゃあ──」
「こら話を聞け」
何よ。
「俺の言うことを黙って聞く代わりに、俺が沙弥の言うことを一つ聞く。……これでどうだ?」
「修平が、あたしの言うことを……?」
「そうだ。そうすれば、お互い平等になるだろ?」
平等……た、確かに!
「えっと、それってなんでもいいの?」
「ああ」
「ほんとのほんとに?」
「ああ。俺との約束を取り消す、とかじゃなければな」
それじゃあ……。
何にしようかな、なんて、
考える間もなく浮かんだのは、この一言。
「あたしを、修平の彼女にして?」