どっきゅん♡LOVER
「沙弥」
2階から彼が現れた。
「しゅーへーっ!」
飛びつこうとして、サッとかわされてしまう。
「早く行くぞ」
「う、うん」
なんで避けるのよ、修平のバカぁ。
「……で、何が苦手なんだ?」
流れのままに入った修平の部屋。
テーブルの前に座って早々、落ち着く暇もなく、修平が訊ねてきた。
何がって言われても……。
「ぜんぶ」
それしか言いようがない。
得意科目といえば、音楽と体育。
それ以外は……ね。
あはっと苦笑いしたあたしを見て、修平が一言。
「知ってる」
不敵な表情で笑った。