どっきゅん♡LOVER
「おい、ちゃんと聞いてるのか」
「ふぇっ!? ……き、いてま、せんっ!」
突然投げかけられた鋭い指摘。
あたしは、間抜けな返事をした。
「やっぱりか」
修平はやれやれと顔を歪める。
やばい、やっちゃった??
でもそう言われたって……この状況でまともに聞いてられる方が、絶対おかしいと思う。
だってだって、めちゃくちゃ近いんだよ?
「聞く気がないなら、もう教えないけど」
「えっ」
まずい。
ここでもし追い返されでもしたら、大変だわ……!
「あ、あります! 教えてください! そのために来たんだから」
あたしは真剣です、と全身で猛烈にアピールする。
まじまじと視線を送っていると、修平はふぅっと溜め息のようなものを吐いてから口を開いた。
「わかったよ」
やった!
こうして、修平にわからないところを教えてもらいながら、次々に課題を進めていったあたし。
特に苦手な数学、英語、理科を終えた頃には、辺りはすっかりと夕暮れに染まっていた。