どっきゅん♡LOVER
「そろそろ終わりにしようか。送ってくよ」
そんなお言葉に甘えて、ちゃっかり送ってもらっちゃった。
近所だから、そう距離はないんだけどね?
国語と日本史は時間がなくてできなかったけど、自分で頑張ることにした。
ふふん。
最悪、答えを丸写ししてやるんだ。
それにしても。
修平の教え方、すごくわかりやすかったなー。
昨日の日野っちとは大違いね。
「じゃあ」
「うん。じゃあね、修平」
家の前に着くなり、あたしたちは別れの言葉を交わした。
あたしはドアの前で手を振りながら、そっと修平の後ろ姿を見送る。
──と、ある違和感を覚えた。
あれ?
なんか、忘れてない?
うん……たぶん、きっとそう。
すっごく大切なことを忘れてる気が──。