どっきゅん♡LOVER
「ないわ」
ええ!?
「あの吉良様が“照れ屋”〜? そんなの鳥肌モノよ!」
まなみんは顔を顰め、両腕をさすりながらそう言い放った。
「じゃあ、なんだっていうの──」
「好きだって言われた?」
え?
不意に問われ、あたしは思わず目を大きくする。
「彼氏なら、たとえ一度でも、彼女に好きって言うものでしょ?」
……んーっと。
「まなみんは言われてた?」
「そりゃあ、もちろん。人によるけど......1日に何回も囁いてくる奴もいたわねー」
「まあ、愛実ちゃんったら」
……そうか。
そういうものなんだ。
でも大丈夫。
修平があたしに好きって言ったことなんて、普通に──。