どっきゅん♡LOVER
「やば、次移動教室でしょ?」
「ええ。急がなくちゃ」
教室を見渡せばすぐ、あたしたち以外ほとんど残っていないことに気がつく。
月曜の5時間目は理科で、いつもはこの教室で授業なんだけど。
今日は特別。
実験をするため、第2理科室へ移動することになっていたんだ。
「二人ともごめんね〜」
なんだかちょっと責任を感じたあたしは、荷物を抱えて走りながらそう、お詫びの言葉を述べた。
*
なんとか間に合った5時間目は過ぎ、6時間目の数学の時間がやってきていた。
本日、ラストの授業だ。
といっても、先生が出張ということで、あたしたちは今自習をしてるんだけど。
「あっ」
勉強もせず、ただボーッと窓の外を眺めていた最中、あるものを発見して思わず声を洩らした。