どっきゅん♡LOVER
「もう大丈夫なの?」
「うん! しばらくは休まずにいけそうなんだ〜」
尋ねてきたまなみんに、笑顔で返す。
すると、涼子ちんが潤んだ瞳でじぃっと見つめてきた。
「無理はしないでね、沙弥ちゃん! こうやって沙弥ちゃんとおしゃべりできるのはとってもとっても嬉しいけど、やっぱり身体が一番だもの。あっ、ノートの心配ならいらないわ。私が──」
「涼子ちん、あの、大丈夫だよ……」
「でた、涼子の過保護」
延々と喋る涼子ちんの声に紛れて、まなみんの呟きがかすかにだけ聞こえた。
「おい、昨日の観たか!?」
そんな時、誰かの興奮した声が教卓の方から響いた。
「サーヤだろ? 観たに決まってんじゃん」
“サーヤ”
明るい茶色の髪に、ハーフアップのツインテールがトレードマークの、新人アイドルの名前だ。
「かわいいよなー。一度でいいから、会ってみてーよ」
「俺もー」
──ドキッ。
かわいい、かあ……。
くふふっ。