どっきゅん♡LOVER


──ドクン、ドクン。


「修平、あたしのこと、好き?」


──ドクン、ドクン。


じっと見つめる。

だけどその唇が動いた瞬間、とっさに目を逸らした。

怖い……っ!


「話が見えない」


え?

聞こえてきた言葉は、イエスでもノーでもない、まさかの一言だった。


「あ、あたしはただ、好きかどうか──」

「聞いてどうする」

「どうするって……」


なんでそんな意地悪なこと言うのよ。


「あたしたち付き合ってるんだよね? なのに修平、あたしのこと1回も“好き”って言ってくれたことないし……」

「それで?」


むっ。

だからどうした、と言わんばかりの口ぶり。


──プツン。


何かが切れる音がした。

< 96 / 274 >

この作品をシェア

pagetop