愛するパパ
1
「これ、今月分。」

ここは某ホテルの最上階、スイートルーム。

高級スーツをピシッと着こなした白髪混じりの男が、分厚い札束の入った封筒をさしだす。

「いつもありがとう!佑介さん大好きだよ。」

美しいロングヘアの若い女が微笑みながらそれを受け取った。

「マナミは本当に調子がいいな。」

佑介はナマミのその美しい髪をくしゃっと撫でる。

いたずらな表情を見せたマナミは佑介の肩にもたれかかった。

「この前のパーティーどうだった?」

「大盛況だったよ。」

佑介は大企業の代表取締役だ。
いわゆる、社会的成功者。

「奥さんも鼻が高いだろうね。」

「あぁ。それはそうだろう。」

「こんな素敵な夫、他にいないもんね。」

「もしかして妬いてるのか?」

「まさか。だって…」

「マナミには恋人がいる。」

「佑介さんは奥さんを愛してる。」

「悪い女だ。」

「もっと悪いのは誰?」

「うっ、そうだな。じゃあ悪い男と…」

「悪い女に」

「「乾杯!」」

二人はワイングラスをならし、シャンパンを嗜んだ。
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