片想いがバレたら一緒にいられないっ!
「あたしは、綾瀬くんの周りにいるような女の子とは違うから.....。」

面倒くさそうに言い放ったセイくんの言葉に、なかばヤケになって、あたしはそう言った。

「むしろ違ってもらわねーとな!
だって、アキの連れの友達だろ?
好きにでもなられたら、色々とめんどくせー。」


グサリ!!!


なんの迷いもなくそう言ったセイくんの言葉が、

胸に突き刺さってきた。


分かってた....。

分かってたけど.....。

そんなにハッキリ拒否らなくたって.....。

あまりにも自信があるセイくんに、悲しみを通り越して嫌気がさしてくる。


「綾瀬くんさ、みんながみんな自分のことを好きになるとでも思ってるの?
自意識過剰もいい加減にしてよ。」

気づいた時には、口から出ていた。

やばい.....。

いらないこと言っちゃった....。

あたしは自分の口を両手で押さえながら、おそるおそるセイくんの顔を見た。


「.......あはははは!」

「え?!」

セイくんは一瞬目を大きく見開いた後、急に笑い出した。

「お前みたいな女もいるんだな。」

そう言いながら、突然ポンっとあたしの頭に手をのせると

「じゃあな。リセ。」

そう一言だけ言って軽く微笑み、三島くんを連れて学校の外へと行ってしまった。


えっ........?!

今、何が起きたの.....?!

自分の胸が、すごい速さでドキドキしてるのが分かる。

あたしは今起きたことが信じられず、

セイくんが触れた頭に自分の手を置いて、その場にボーッと立ちすくんでいた。
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